公益財団法人 日本交通管理技術協会
 
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技術情報(「信号機なんでも読本」等から抜粋)

交通整理ABC

1) 交通整理の必要性

信号機のない十字路で、車の動きを見てみましょう。

交通整理の必要性 直進車は、左・右そして対向車の3方向を見て、直進できるタイミングを見つける必要があります。交通量が少ない場合は、タイミングをとるための待ち時間は短くてすみますが、交通量が多いと待ち時間が長くなってしまいます。このとき、無理に交差点内に入ることもあるため、事故などの危険性が高くなります。また、両方向の車両が交差点内で交錯し、通行できなくなります。

信号機のない十字路で、車の動きを見てみましょう。 そこで信号機をつけて交通整理を行うと、両方向の交通の交錯がなくなります。また直進車は、青信号のときに対向車だけの動きを見て走行すれば良いことになり、安全性も高まります。

  このように、交差点での安全かつ円滑な交通をつくり出すために、異なった方向からの交通を時間的に分離し、交錯することのないように交通整理を行うのが信号機なのです。


2) 交通整理の3種の神器

信号機を点灯する場合、タイミングの設定がポイントになります。
そのタイミングの表しかたには、[サイクル][スプリット][オフセット]の3種があります。

●サイクル(Cycle)

●サイクル(Cycle) 信号灯が青→黄→赤と一巡する時間を[サイクル]または[周期]といい、その長さを“秒”で表します。サイクルが短すぎると通行できる量が少なく渋滞の原因となります。逆に長すぎるとムダな時間が増えます。サイクルは、交通量、交差点の大きさ、歩行者の横断時間などを考慮して最適な長さを決定します。一般に交通量の多い交差点では長くしています。

●スプリット(Split)

●スプリット(Split) 1サイクルの時間のうち、各現示に割り当てられる時間配分を[スプリット]といい1サイクルの時間に対する“パーセント”で表します。交通量の多い主道路側と、あまり多くない従道路側、どちらも同じ時間を占めると時間のムダが生じます。そこで、交通量に応じたスプリットが必要になってくるわけです。例えば100秒サイクルの場合、主道路側に60パーセント(60秒)、従道路側に40パーセント(40秒)というように割り振りします。

●オフセット(Offset)

●オフセット(Offset) 幹線道路を走る車が、信号により停止することなく、各交差点をスムーズに通過できるように、隣接する交差点の青信号開始時間にずれを持たせます。この時間のずれを[オフセット]といい、1サイクルの時間に対する“パーセント”又は“秒”で表します。

 例えば、100秒サイクルの信号機A、Bがあり、AB間の青信号開始時間に10秒の差がある場合は、10パーセントまたは10秒のオフセットがあるといいます。

 [サイクル][スプリット][オフセット]は、スムーズな交通の流れを実現させるために大切なもので、まさに交通整理のための三種の神器といえましょう。


●オフセット(Offset)


3) 歩行者横断時間

歩行者青時間と青点滅時間は、歩行者が道路を安全に横断するための時間です。

●歩行者青時間

●歩行者青時間 歩行者が横断に必要な時間は、横断歩道の長さによって異なります。一般的には歩行速度を秒速1メートルとして計算します。

●青点滅時間

●青点滅時間 青点滅時間は、歩行者青時間中に横断中の歩行者が横断を完了するか、引き返すための時間です。横断歩道の長さにより異なりますが、一般的には4~10秒の間、青点滅信号にしています。

 歩行者青時間が短すぎると歩行者が渡りきれず、また長すぎると、右・左折車が交差点に滞留し、渋滞の原因となります。また、サイクルも長くなるため、赤信号で待っているドライバーや歩行者はイライラして事故の原因にもなるので、歩行者青時間は適切に設定する必要があります。



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